お金の管理を誰に頼むのか
介護に備えて資金を準備していても、しかるべき手続きをしていないと、認知症の介護にそのお金を使えなくなってしまうことをご存じですか?婦人公論2022年12月号は「元気なうちに準備しておきたいお金のこと」についての記事を載せていました。
ファイナンシャルプランナーのもとへ介護費用の相談に来られる方の多くは、家族が認知症になった後にいらっしゃいます。
しかし、このタイミングでできるお金の対策はほぼありません。
なぜなら、認知症で意思能力がないと判断されると、本人はもちろん家族であっても、預貯金の引き出し、定期預金の解約、不動産の売買や賃貸契約などは簡単に行えず、株や投資信託などの有価証券については所有者が亡くなるまで換金できないからです。
老後のお金は用意しておくだけでは不十分です。準備したお金を、自分の希望どおりに使うための仕組みづくりまで行わなければいけません。認知症になる可能性が誰にでもある時代、遅くても後期高齢者の75歳になったら、お金の準備を進めましょう。
介護は、当人が持っている資産の範囲内で行うことが鉄則です。まず、介護費用としていくら使えるのかを把握するために、自分の資産を洗い出すことから始めましょう。
銀行や証券会社、生命保険、自宅以外に所有している不動産などをリストにし、それぞれの残高や評価額を書き出して、おおよその合計金額を算出します。
こうして整理した資産を、自分が認知症になった後の介護に使えるようにしておくことが大切です。
「誰に管理を頼むのか」「資産額やその内訳」によって、適した方法は異なるものです。右のチャート図を参考にして検討していきましよう。
最後まで自分らしい人生を送るためには、どこでどんな介護サービスを受けたいかという下調べと、お金の準備が欠かせません。
そうして前もって準備を進め、自分の行く先が見えれば、安心して好きなことに打ち込めるはず。
みなさんも「家族に迷惑をかけたくない」「おひとりさまで老後が心配」と不安を抱えたままにせず、今から準備を始めてみませんか。
配信 Willmake143