冬のかくれ脱水に注意!
2019-01-21


成人の場合、汗以外に皮膚や呼気から体外に出ていく水分量は1日に体重1キログラム当たり15mlと言われ、体重60kgの人で1日に900mlの水分が失われる計算になるそうです。
済生会横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜先生は「湿度が低く、空気が乾燥している冬は、体の中から水分がより奪われやすくなる」と指摘しています。
夏の脱水が暑さや発汗で急速に進むのに対し、冬のかくれ脱水はゆっくりと進行するため、気付くのが難しいといいます。「食欲の低下や倦怠感といった体調不良は、かくれ脱水が原因の場合も多い」と谷口先生は述べています。
かくれ脱水の状態だと、鼻やのどへの異物の侵入を防ぐ粘膜の水分量が減るため、インフルエンザやノロウィルスによる胃腸炎など感染症にかかりやすくなります。
東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授は「入浴中の事故死の原因で、急激な温度差による血圧の変動がもたらす「ヒートショック」に次いで多いのが、かくれ脱水が引き金になる「浴室熱中症」だ」と話しています。
体の水分が不足した状態だと「入浴で上昇した体内の熱が放出できず、熱中症のような状態になる」そうです。
予防には、小まめな水分摂取が不可欠。「就寝前や起床後、食事中や食間などにコップ1杯の水分を取り、1日に1~1.5ℓの水分をとって、入浴の前後には水分の摂取を。ミネラル入りの麦茶には血流を促す効果があるという報告もあり、浴室熱中症の予防におすすめ」と新聞記事には書いてありました。
利尿作用があるアルコールを飲んでも、水分摂取にはなりません。谷口先生は「かくれ脱水は飲酒時にも起こりやすい。酒量と同量の水分を摂取するといい」と勧めています。
脱水を意識しにくい冬の間も、日々の水分摂取量を意識しましょう。高齢者は特にのどの渇きを感じにくく、食事量が不足しがちで、かくれ脱水に陥るリスクが高いそうです。意識的に水分を補給して、予防・改善を心がけて下さい。
配信 Willmake143