6月, 2022年
低気圧不調
低気圧の接近とともに、体調が悪くなる経験をしたことはありませんか?近年、それらは「低気圧不調」や 「天気痛」などの名前で認知されつつあります。
気になるそのメカニズムと対処法を婦人公論2022年7月号と週刊朝日2022年6月10日号が紹介していました。
気圧が低い日や寒暖差の大きい日が増える梅雨シーズン。梅雨があけると今度はゲリラ豪雨や台風など、急激な気圧変化が起こることも多くなります。
そんなときに起こる頭痛や倦怠感、めまい、気分の落ち込みなどの不調は、近年、注目され、「気象病」や「低気圧不調」などと呼ばれるようになってきています。
中部大学教授の佐藤純医師は、これらの症状を専門に研究し、なかでも天気の悪さによる痛みの悪化や寒暖差による不調を「天気痛」と命名。
愛知医科大学病院・いたみセンターで国内初の天気痛・気象病外来を開設し、‟天気痛ドクター”として患者に向き合っています。
佐藤医師は「『天気痛』自体は命名される以前から存在したのでしょうが、最近は5月でも梅雨のはしりのような天候が続いたり、急な雷雨などで気圧が急変する日が増えたりしたことで、症状に悩む方が多くなっていると考えられます。
人類が発展する中で生み出した異常気象が、自分たちの体にストレスとなって跳ね返ってきている面もあるのでしょう」と話しています。
佐藤医師は、「気圧の変化を感じるのは、耳の奥にある『内耳』だと考えられます。耳の血行不良を改善するため、耳たぶを指でつまんで軽く引っ張る、くるくる回すといったマッサージをしたり、温めたりすることで、『天気痛』の症状を緩和できる可能性があります」として耳マッサージをすすめています。
配信 Willmake143
医療検査や治療はどれだけ必要?
週刊朝日2022年6月24日号は、「高齢者の医療検査や治療はどの程度の頻度や内容が必要なのか」についての記事を載せています。
諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、「年齢と人生観で違う」といっています。検査を徹底的にしたい人もいて、年齢だけで必要か不要か決めるのは難しい。
「75歳まではいろいろな検査をしても、その後は人生観で、検査が嫌いなら、やらなくてもいいのでは」と話しています。
米国の内科専門医認定機構財団は不要な医療検査や治療をなくすため、「チュージング・ワイズリー」(賢い選択)の活動をしています。鎌田先生は『ピンピン、ひらり。』(小学館新書)で、この活動を紹介して、患者に本当に必要で、副作用の少ない医療検査や治療を賢く選択することを説いています。
チュージングーワイズリーは、〃鮃で無症状の人にPET、CT検査によるがん検診を推奨しない。PET検査とは検査薬を投与し、特殊なカメラで画像化し判断するもの。
通常の人間ドック検査に比べ、がん検出率は約20倍とされる。CT検査とは、部分的に体内の腫瘍の状態を見るもの。代謝の状態を見るPET検査と合わせ、より正確な検査ができる。
一方、放射性薬剤を用いるため、少ないものの、放射線被曝があるとされる。
また、健康で無症状の人に血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない。CEAは、がんの存在を示唆する腫瘍マーカーの一つで、腫瘍マーカー検査は血液や尿など体液成分を調べる。がん細胞が多いと数値が高くなる。
一方、飲酒や喫煙といった生活習慣などの影響で、がんと無関係に数値が高くなることがあり、逆に、がんでも数値が高くならないこともあるため、これだけで確定できず、参考になる検査の一つとされる。また、すべてのがんで、特定の腫瘍マーカーが見つかっているわけでないそうです。
さらに、7鮃で無症状の人にMRI(磁気共鳴断層撮影)による脳ドック検査を推奨しない。脳出血などのリスク発見に優れた画像診断検査とされる。
一方、安全性は高いものの、造影剤により、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの副作用には注意も必要とされる。呼吸困難などの重い副作用が出ることがあるそうです。
不要な医療検査や治療を推奨しないチュージング・ワイズリーどおりでなくても、本人が望まない医療検査や治療をしない動きが広まるといいと鎌田先生は考えています。
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アーモンドミルク シニアこそ飲むべき理由
最近、スーパーでアーモンドミルクをよく見かけるようになりました。牛乳と豆乳に続く “第3のミルク”として注目を集めるアーモンドミルクを週刊朝日2022年6月24日号が紹介していました。
アメリカでアーモンド農家の人たちの若々しさに気づき、約20年間アーモンドの研究を続けている慶応義塾大学医学部の井上浩義教授は「以前はアーモンドを粒のまま食べるのを勧めていましたが、子どもや高齢者の中には、粒をかみ砕きにくい人もいます。でも、アーモンドミルクなら摂取しやすくなります。
また、アーモンドミルクのほうが、そのまま食べるより栄養素の吸収率が2倍以上も上がるのです。ビタミンEは “若返りビタミン”とも呼ばれ、体内の酸化を防ぎ、細胞を若く保つ役割を果たします。
アーモンドはその含有量がトップクラス。ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、食品の油や脂に含まれますが、年を取ると食事で脂をとること自体が苦手になりがち。
手軽にビタミンEをとれるアーモンドミルクは貴重です。植物などに多く含まれ、酸化しにくいオレイン酸はオリーブオイルでも摂取できますが、少し風味が強く、アーモンドミルクのほうが摂取しやすい。
私がアーモンドミルクを毎日飲んでいて実感するのは便通の良さ。市販のアーモンドミルクは粉砕したアーモンドを濾すので食物繊維が減ってしまいますが、私は自家製アーモンドミルク(別表)を作り、濾さずにドロドロの状態で飲んでいます。食物繊維をしっかりとれるのでおすすめです」と話しています。
アーモンドミルクは牛乳や豆乳に比べてカロリーや糖質量が圧倒的に低く、コレステロールもゼロ。たくさん飲んでも心配ないそうです。
井上教授は、「私が研究を始めたころは大都市でしか入手できなかったものが、今や全国のスーパーやコンビニで買えます。味もおいしいですし、ぜひ1日1本を習慣化してみてください」と話しています。
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脳梗塞防ぐ最後のチャンス
「脳梗塞の前触れ発作」と呼ばれている一過性脳虚血発作(TIA)についての記事が2022年6月18日付の日経新聞に載っていました。
一過性脳虚血発作(TIA)は、主に顕動脈や心臓にできた血栓(血液の塊)が血流に乗って脳へ運ばれ、脳の血管を一時的に詰まらせることで起こります。
杏林大学医学部脳卒中医学教室の平野照之教授は「TIAを起こした人の6人に1人が3ヵ月以内に脳梗塞を発症する。そのうちの約半数は48時聞以内に起きるといわれている」と警鐘を鳴らしています。
TIAの症状は24時間以内に消失するとされていますが、聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センターの植田敏浩センター長は「実際には数分から数十分、長くても1時間以内に消えてしまうことが多い」と話しています。
症状が短時聞で消えても「よくなったから大丈夫だろう」とは思わずに、速やかに脳神経外科や神経内科を受診することが重要です。
TIAの代表的な症状は「顔・腕・言葉・目」でチェツクできます。
顔の片側が下がってゆがむ、片側の腕に力が入らない、言葉が思うように話せずろれつが回らなくなる、片側の目が見えなくなる(一過性黒内障)などです。
TIA後に脳梗塞が起きる危険性を予測するとき、医療機関では「ABCD2スコア」 (表参照)が用いられます。
7点満点で点数が高いほど高リスクとなります。平野教授は「TIAが起きたときは、脳梗塞を防ぐ最後のチャンスと理解して、受診や生活習慣の改善など直ちに行動を起こしてほしい」と呼びかけています。
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夏の食中毒 どう防ぐ
2022年6月11日付の日経新聞に「夏の食中毒 どう防ぐ」という記事が載っていました。
食中毒は細菌やウイルス、キノコの毒などがついた物を食べて腹痛や下痢、発熱などを起こす病気です。特に高温多湿になる6〜9月は細菌が増殖しやすく、食中毒が増える時期です。
埼玉医科大学総合医療センター、総合診療内科・感染症科の岡秀昭教授は「発症初期に高熱が出てインフルエンザに似ているため“夏のインフルエンザ”ともいわれる。
ほとんどは数日で軽快するが、ごくまれに、感染から数週聞後に手足の麻庫や呼吸困難などを起こすギランーバレー症候群になることがある」と注意を促しています。
食中毒はどう防げばいいのか。
最も重要なのが食品についた菌やウィルスを死滅させることです。それには十分な加熱が欠かせない。
「肉や魚はしっかり加熱する。特にミンチ肉は内部にも菌がいるため、中心まで火を通す」と曰本食品衛生学会長で東京農業大学の小西良子教授は助言しています。
小西教授は「まな板や包丁、ボウルなどの調理器具は、生肉や魚に使うものと野菜などに使うものを分け、使用後は十分に洗浄する」と話しています。
菌を増やさないことも大切で、食品は購入後速やかに冷蔵庫で保存することです。
盲点は冷凍したものだそうです。「肉などを室温で解凍すると温度が上がり過ぎて菌が増えることがある。解凍は冷蔵庫で」と小西教授は付け加えています。
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