高齢者への経済的虐待

2019-02-16

高齢者への経済的虐待
高齢者への経済的虐待高齢者の預貯金や年金を、本人の意思に反して家族が引き出す「経済的虐待」についての記事が2019年2月15日の日経新聞に載っていました。
同じ高齢者への虐待でも暴力を振るう「身体的虐待」や暴言を浴びせる「心理的虐待」に比べ、外部から確認するのが難しい経済的虐待。その経済的虐待を防ぐにはどんな手立てが必要なのかについて書いてありました。



高齢者への経済的虐待千葉県松戸市で2018年度(4月〜11月)にあった経済的虐待16件のうち、多くが「親の金を子が勝手に引き出し、必要なことに使わせない」(宮間恵美子・高齢者支援課長)だったそうです。
高齢者虐待防止法は、経済的虐待を「高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること」と定義しています。

?日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない ?預貯金や年金を本人の意思・利益に反して使う ?不動産や有価証券を無断で売却する―などを指します。松戸市の例は??に当てはまります。
厚生労働省によると、16年度に養護者による虐待を受けた高齢者は1万6770人。このうち経済的虐待は18%です。子が親の預貯金を使い込んでも、ATMで現金を引き出している限り外からは気付きにくいのが現状です。

経済的虐待は、地域包括支援センターなどが、ケアマネジャーや民生委員から身体的虐待やネグレクトの相談を受ける中で発覚する例が多いそうです。
食事を与えていない、介護・医療サービスを受けさせないなどが判明し、必要な金銭を渡していないことが分かるとのことです。虐待をいち早く見つけるには、兆しを見逃さないことが重要です。



高齢者への経済的虐待松戸市は2008年に「高齢者虐待防止マニュアル」を作成。17年に改訂しました。家庭用・専門職用・養介護施設用に分け、虐待の定義や種類、相談・報告の仕方、虐待を受けている高齢者の身体面、行動面に見られるサインなどについて解説されています。
マニュアルは市のサイトからダウンロードでき、必要なときに使えます。宮間課長は「異変に気付いたら、まず地域包括支援センターに連絡を」と呼びかけています。
金融機関の協力も欠かせません。親子で訪れ子が親に引き出しを強要する、高齢者の口座から急に多額の現金が引き出されたなど、虐待が疑われるサインを察知できるからです。
一部の銀行は認知症の顧客への対応に力を入れています。三井住友信託銀行では経済的虐待についての理解を深める研修を支店で始めています。
「支店の近隣の地域包括支援センターとの関係づくりも進めていく」(金井司同行チーフ・サステナビリティ・オフィサー)考えだそうです。

配信 Willmake143

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