老化の大敵「ゴースト血管」
「見た目年齢が高い群は、見た目年齢が低い群と比較して、女性で平均5歳、男性で8歳、血管年齢が高かった」。朝日新聞系週刊誌・AERAの2022年1月17日号に載っていた記事の一文です。
大阪大学微生物病研究所環境応答研究部門情報伝達分野の高倉伸幸教授は、大手化粧品会社と皮膚と毛細血管の関連について共同研究を行い、マイクロスコープで接写した肌の状態と、毛細血管の状態はほぼ比例するという実例を多く見てきたそうです。
高倉教授は、血管を人体の中の道路に例えています。動脈や静脈が幹線道路なら、毛細血管は県道や市町村道。幹線道路が立派でも家の前の道路がふさがれていれば、社会と隔絶します。
道路が不通でゴミ回収車が来なければ、快適に暮らせません。近隣の道路が機能せず住む人がいなくなれば、ゴーストタウンになります。
「血液の流れが悪く壊れやすくなった毛細血管が、老いや不調、病気を引き起こしている。
毛細血管が本来の役割を果たせずゴーストタウンになってしまう、ということから、ダメージを受けた毛細血管をゴースト血管と名づけました」と高倉教授は述べています。
毛細血管がゴースト化し、その役割が果たされなくなれば、見た目が老け、不調が生じるなど、病気のリスクも高くなります。
最新の研究では、アルツハイマー型認知症との関係も指摘されています。ゴースト血管化の原因の一つは加齢です。
加速させる因子には、高血糖があります。体内で過剰な糖質とたんぱく質が結びつく「糖化」が起こり、体内に焦げのような物質「AGE」が発生すると、毛細血管がAGEを取り込み、細胞の老化を促進する活性酸素が大量に発生するのです。
ゴースト血管は、年を取れば誰でもリスクがあります。でも、予防や改善は可能です。
「血流を良くすることは、ゴースト血管の予防・改善に欠かせない条件です。一番のお勧めは、ウォーキングやスクワットのような下肢の筋肉を鍛える運動です。ふくらはぎの筋肉を刺激するかかと上げの習慣化もいい」と記事には書いてありました。
配信 Willmake143