粘膜免疫

2022-02-20

粘膜免疫私たちの健康維持に不可欠な、免疫機能。近年、ウイルスなど感染症を引き起こす病原体の侵入口となる鼻や口、喉に備わる「粘膜免疫」の働きに注目が集まっています。
この粘膜に関して新たなワクチン開発という視点で研究を行うのが、三重大学大学院医学系研究科の野阪哲哉教授です。
日経BP総合研究所西沢邦浩客員研究員が粘膜免疫を高めるための秘策について野阪教授にインタビューした記事が2022年2月18日の日経新聞に載っていました。

風邪などの感染症の原因になる病原体の侵入を阻み、万が一感染したとしても体の中で戦い、排除するのが「免疫」という仕組みです。
ウイルスの侵入口となるのが、鼻や喉の表面を覆う粘膜。多くのウイルスは粘膜にくっつくとおよそ10〜20分で粘膜の細胞の中に完全に入り込みます。
だからこそ、感染を防ぐには、ウイルスの最初の感染場所となる「粘膜」という最前線の砦で、侵入を阻む粘膜免疫が重要になるわけです。


粘膜免疫ウイルスが最初に接する第一関門である粘膜で、病原体を阻むのが粘膜免疫です。そこで中心的役割を担うのが、粘膜の上に出てきて病原体の侵入を阻止するlgAという抗体です。

粘膜免疫をかいくぐり、病原体が体内に侵人し、いわゆる感染した状態になってからは、第二関門である「全身免疫」の出番です。
全身免疫では、さまざまな免疫細胞が病原体を排除すべく戦います。

多くの文献から、唾液中で粘膜免疫の立役者であるlgA量が低下する主な要因が3つあることがわかっています。
1つめは、加齢です。高齢になるとともに唾液中のlgAの分泌が低下します。2つめは、慢性的ストレス。そして3つめが激しい運動です。
また唾液のlgA量には、lgAがどのくらいの割合で含まれるかという濃度とともに、唾液の分泌量そのものも関わることがわかってきました。
粘膜免疫低下の一つのサインとして、安静時に唾液がたっぷり出ているかどうかもぜひ確認してみてください。

配信 Willmake143

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