食といのち

2014-09-11

食といのち
食といのち2014年9月10日に 「食といのち」 という文春文庫が出版されました。いのちを支えるスープで有名な料理研究家の辰巳芳子さんの対談本です。
本の中には、看護師の川嶋みどりさんとの対談 「口から食べることの大切さ」 が含まれています。

川嶋さんは対談の中で 「医学的には、どちらかといえば栄養素やカロリーを問題とします。ところが、私たちが長いこと看護師として経験しているなかでは、たとえ栄養学的に全然価 値がない食事でも、口から入ることに、すごく大きな意味があるんです。
しかもその食物はその人の生きてきた歴史にとって意味のあるものなんです」 と語っていました。

末期の患者さんには、たとえスープ一口でも、明日の命につながる。医学的にはたったスープ一杯飲んだとしても、癌が治るわけではないけれど、患者 さんは意欲が出てくる。
歩んできた歴史とか懐かしい思い出を刺戟すると、症状が軽くなったりすることもあるそうです。
認知症の患者さんには、その懐かしい思い出の中で、食べものは大きなウエイトを占めている、そんなふうに語る川嶋さんにとっての看護の基本とは、 「食欲のない方にどうしたら食べていただけるかな」 と一生懸命その方の身になって考えることだそうです。
“口から食べる” ことを大切にする点では、看護師も歯科衛生士も同じだということを認識させてくれる本でした。

配信 Willmake143

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