食べる力
2017-01-21
食べられない高齢者が急増しています。食べられなくなる原因は高齢者側にだけあるのではなく、医療の側にもあるという現実を3年前から取材を続 けてきた医療ジャーナリスト 塩田芳享さんの本が出版されました。
2017年1月20日に文春新書として発行された 「口腔医療革命 食べる力」 という本です。
老人ホームなどに入居する高齢者が体調をくずした場合、このまま、口から食べていると誤嚥性肺炎を起こして、命を落とす危険もあるという理由か ら、管から栄養を摂る処置がされることがあります。
著者の塩田さんは、取材でこうした光景を目の当たりにするそうです。そして、本のはじまりで、こう書いています。
「医療は日々進歩し、日本人の平均寿命はどんどん延びている。しかし、そのために犠牲になってきたものがある。それは 「食べること」 だ。医師の仕事とは、病気を治し、命を守ること。そして、多くの専門医は自分の専門分野を最優先する。
「食べること」 は時として、治療の邪魔となり、危険なものにさえなることもある。だから、自分の専門分野の治療を優先する医師が 「食べさせない」 選択をすることは至極当然なことなのだ。
そもそも、医師は教育の課程でほとんど 「食べること」 を勉強しない。完全な専門外なのだ。だから、関心も薄く、軽視する。しかし、そのため超高齢化を迎えた現代、大きな問題が起こっている。
「食べられないというレッテルをはられる高齢者」 の急増である。皆さんは、この事実をご存知だろうか?」 塩田さんの新著の中には、高齢者の食べる力をサポートするために、懸命に努力している医師や看護師、歯科医師や歯科衛生士の働きぶりが紹介さえています。 食べることの意義をもう一度考えてみる上で、とても参考になる本です。
配信 Willmake143
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