骨折防ぐ薬であごの骨が壊死
2017-04-20
骨を丈夫にして骨折を防ぐ薬によって、あごの骨(顎骨)が壊死する副作用についての記事が、2017年4月19日の朝日新聞に載っていました。
東京都西東京市の76歳の女性は、2013年に自転車で転び、右ひじを骨折して 「骨粗鬆症」 と診断され、骨吸収抑制薬による治療を始めたそうです。骨には、既存の骨を壊して吸収する細胞と新しい骨をつくる細胞があり、骨粗鬆症になるとこの2つの 細胞の働きのバランスが崩れて骨がもろくなります。だから、76歳の女性には、骨の吸収の働きを抑えて、骨を丈夫にする薬が処方されたのです。と ころが、女性は、昨年6月、右下の奥歯周辺に激しい痛みを感じ、口を開けることもできなくなりました。東京歯科大水道橋病院で受診すると、下あご の骨の壊死がわかり 「薬剤関連顎骨壊死」 と診断されました。
同大の柴原孝彦教授は 「薬で骨の密度は増すが、細胞成分が少なくなるので感染に弱くなる。口内には細菌が多いので、歯周病や不十分な虫歯治療、抜歯などがきっかけとなり顎骨に 感染し、進行すれば骨の壊死に至る」 と語っています。
骨粗鬆症や口腔外科などの6つの学会は、ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬ののみ薬を飲む前であれば、主治医が患者に歯科受診を勧めて口の中の 衛生状態を改善し、投薬開始2週間前までには歯科治療を終えることが望ましいなどの見解を去年まとめています。副作用を防ぐには医師と歯科医師の 協力が必要です。広島県呉市では先月、医師と歯科医師が互いに患者の治療予定や診療状況などを連絡し合うための 「連携用紙」 をつくったと記事は伝えていました。
配信 Willmake143
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