健康情報 それホント?
女子栄養大学の月刊誌 栄養と料理2018年10月号の特集は 「ヘルスリテラシーを身につけよう!健康情報それ、ホント?」 でした。書いたのは聖路加国際大学大学院の中山和弘教授です。
健康で長生きしたい。多くの人がそう願うものです。それを裏付けるかのように、世の中には、健康に関する膨大な情報があふれています。でも、中には根拠があいまいなものもあります。正しい情報を見極めるヒントが特集では紹介されていました。
「ヘルスリテラシー」とは、健康や医療に関する情報を入手し、理解し、評価して、活用する力です。
いま、ヘルスリテラシーが注目される理由は、その力が低いと健康状態がよくないことが明らかになってきたからです。
人々の健康を決めている最大の要因は、ライフスタイルや行動の「選択」です。
信頼できて、自分に合った情報を適切に選び取る力=ヘルスリテラシーが健康のために必要不可欠なのだと特集には書いてありました。
ところがヘルスリテラシーの国際比較によると、日本はヨーロッパやアジアの他の国々よりも低いという結果だったそうです。
ヘルスリテラシーは今日明日すぐに高められるものではありませんが、医師や専門家など、ヘルスリテラシーの高い人とつながることが大切だそうです。
たとえば、誰でも気軽に集える場として、お茶を飲みながら専門家もそうでない人も対等に語り合える健康カフェや医療カフェなどが “つながり”を増やすという意味で注目されています。
ソーシャルメディアやSNSをうまく活用することも、ヘルスリテラシーの向上につながります。
SNSには、患者同士だけではなく、医師などの専門家もたくさん参加しています。その投稿を見て参考にすることができます。
ただし、役に立つ情報だけでなく、誤った情報の場合もあります。健康情報の場合、特に信頼性は重要です。
2018年に、政府が社会保障費用の債務が2040年度に190兆円になるとの推計を公表しました。
一方、65〜74歳の前期高齢者は元気であり、10年前よりも身体的に若いということが判明しています。
国の財政がますます逼迫する今後、前期高齢者はサポートされる側ではなく、サポートする側に回ることになるでしょう。
これまで65歳以降の生活を守ってくれた国は、今後、その対象を70歳以上に引き上げる可能性が高く、そうなった場合に備えるためにも、ヘルスリテラシーはとても重要だと東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授もいっています。
配信 Willmake143