ドライマウス外来

2019-10-25

ドライマウス外来
ドライマウス外来家庭画報2019年11月号は“ドライマウス外来”を紹介していました。2002年、全国に先駆けて「ドライマウス外来」を開設した栃木医療センターは、ドライマウスの診療では全国有数の実績を誇っているそうです。

ドライマウスは、さまざまな原因によって口が乾く病気で、医学的には「口腔乾燥症」と呼ばれます。
患者は圧倒的に女性が多く、50代以降で罹患する人が増えてきます。「症状として重要なのは唾液量が減少することで、初期には口の中が乾いたり、ネバネバしたりしますが、異常として認識されにくいため、舌の痛みやざらつき感などを感じるようになってから受診する人が多い」と同外来を担当する岩渕博史先生は説明しています。

唾液量が減少する原因は大きく二つに分類され、一つは唾液がつくれなくなること、もう一つは体内の水分が減ることです。
唾液がつくれなくなる原因で最も多いのは、薬の副作用によるもので、高血圧の薬、精神安定剤、頻尿の薬、アレルギーの薬などは唾液の分泌を抑制することがよく知られています。
「炎症や腫瘍による唾液腺の障害、極度のストレスや更年期障害、がんの放射線治療や抗がん剤治療が原因のこともあります。
さらに原因疾患で多いのは自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群です。当外来を受診された人の約半数にこの病気が見つかっている」そうです。
一方、体内の水分が減るのは、ほかの病気や治療によることが多く、糖尿病や尿崩症、透析治療、利尿剤の常用などは体内から水分を排出する原因となります。診断ではこれらの原因を見極めることが重要になってきます。


ドライマウス外来もう一つ注意しなければならないのは唾液量が正常なのに口が乾くと訴える人が少なからずいることだそうです。
「唾液成分異常や保湿力の低下、精神的要因などによって起こり、近年はこのような場合もドライマウスと診断し、治療対象とする方向に変わってきている」と岩渕先生は述べています。

ドライマウスの治療は、原因に応じて行われ、ほかの病気によってドライマウスを生じている場合は、その治療が最優先されます。
また、薬の副作用が疑われる場合は、その薬の中止や変更を、処方した主治医と相談します。
「薬を中止できないときは、よく噛んで食べるなどの咀嚼リハビリに取り組んでおくと唾液腺が萎縮するのを防げます。
ドライマウスは逆流性食道炎や食道がん、風邪、インフルエンザ、うつ病などを引き起こすこともわかってきました。
放置すると全身の健康にも悪影響をもたらします。口が乾くなどの自覚症状があるのなら、ためらわずに専門外来をぜひ受診してください」と岩渕先生はアドバイスしていました。

配信 Willmake143

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