コロナ廃人
週刊新潮2021年1月14日迎春増大号に「このままではコロナ廃人に一直線載」という記事が載っていました。感染は収束どころか、東京都で新規感染者が1000人を超え、拡大の一途。確かにステイホームを徹底すれぱ、感染はひとまず避けられるかもしれません。
しかし、虎の門病院顧問で東大名誉教授の大内尉義先生は、「コロナ禍で高齢者が外出して体を動かしたり、人と触れ合ったりする機会が減っています。このままでは〈コロナフレイル〉が大問題になる恐れがあります」と警鐘を鳴らしています。
諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生はコロナ以降の変化についてこう指摘しています。
「内科医として診察を行っていると、コロナが流行してからフレイル状態の患者さんが明らかに増えていると感じます。
例えば、椅子から立ち上がるときに“よいしょ”と言わないと、立ち上がれない。あるいは杖を持たないと歩けない、など。現状、60代の日本人の約1割、80代では約6割がフレイルだと言われています。
コロナが収まる頃にはこれよりも多くの高齢者がフレイルに陥っている可能性が高い。
今後、感染が収束するまでをどう過ごすか。健康状態を維持するための分かれ目となるでしょう」。
鎌田先生はコロナを状態別に三つに分類して、こう解説しています。
「一つ目は筋肉フレイル。これはサルコペニアと呼ばれる加齢性筋肉減少症とも近い。
つまり、筋肉が衰えて、以前のような運動ができなくなっている状態です。
二つ目は口腔フレイル。口周りの筋肉が衰えて、噛む、飲み込むなどの動作が難くなっていることを指します。
誤嚥性肺炎の原因にもなり、歯周病にもかかりやすくなります。
三つ目は社会的フレイル。外出をしなくなる、人間関係が希薄になることで社会に参加しなくなり気力や、認知能力など心や脳の機能が衰えます」。
さらに続けて、「フレイル対策には筋トレに加え、食生活の改善が必須です。もともと、日本の食文化は欧米に比べ、筋肉のもととなるタンパク質の摂取量が少ない。
そのため、諸外国よりも日本はフレイル状態の高齢者が多いと言われています。
さらに外食ならタンパク質を摂れるのに、コロナによって在宅時間が増え、手っ取り早く作れる炭水化物中心の食生活を送っている方も増えています」と語っていました。
配信 Willmake143